実験室・実験圃場


茨城大学理学部・生物活性測定室
赤外線ガス分析システム。アメリカLi-cor社のLI-6400。葉レベルの光合成速度や呼吸速度、蒸散速度などの測定に用います。高性能のLEDを装着しており、弱光~強光(晴天日の日中くらい)を実現できます。+数度の温度コントロールもできます。主に野外での測定に使っています。23歳ですが調子は良いです。



こちらも赤外線ガス分析システム。Li-cor社のLI-840A。現在は、オーダーメイドの大型チャンバー(写真下)を接続し室内で使っています。このチャンバーは、鉢植えの植物くらいなら入る大きさで、+数度の温度コントロールができます。チャンバーを変えれば、様々なものの間(例えば土壌-大気間)の炭素と水のフラックスを測定することができます。



光強度(光合成有効放射域)を測定するための光量子センサー。写真上は、Li-cor社の光量子センサーと、データを記録するためのデータロガー(LI-1400)です。LI-1400にはセンサーを接続するポートが2つ付いており、2点同時測定ができます。写真下の光量子センサー(アメリカのDecagon社, AccuPAR)は棒状の部分全体が検知部になっています。検知部が大きい(長い)ので、植物群落内など光環境が空間
的に不均一な場所での測定に便利です。

光感度フィルム (OptoLeaf; OptLeafという表記もみかけますが、どちらが正しいのかわかりません) と携帯型分光光度計(D-meter)。OptoLeafは半透明の薄いフィルムで、光を吸収すると退色します。吸収した光の積算量と退色の大きさが(あるところまで)比例するため、フィルムの退色度合いから吸収光量を推定することができます。退色度合いはふつうの分光光度計で測定できますが、専用の携帯型分光光度計D-meterがサイズも測定の手間も小さく便利です。日本の大成ファインケミカルという会社が製作、販売しています。

英弘精機社のポータブルガスモニター(aeroQUAL, Series 500)。さまざまな気体の濃度を測定、記録することができます。測定対象の気体によって、センサー部を付け替える必要があり、現在はオゾンセンサーを取り付けてあります(0-500 ppbのオゾンが測定可能、精度は+10%とされています)。(僕は持っていませんが、NO2、SO2、メタン、アンモニア、二酸化炭素のセンサーが販売されています。)

江藤電気社のデータロガー(Thermodac-F)。さまざまなセンサーの出力値を記録できる装置です。例えば、光量子センサーを接続して光強度を測定したり、熱電対を接続して温度を測定したりします。接続ポートが30個あり、また記録できる容量がとても大きいので、長期間様々な環境をモニター・記録したいときに使います。記録の時間間隔(1時間毎、1分毎、1秒毎など)も自由に設定できます。できることが多いわりに操作方法は簡単で、たいへん重宝しています。

キャノピーアナライザー、Li-cor社のLAI-2000。説明が難しいのですが、簡単に言うと、植物群落の葉面積量を推定できる機械です。ふつう葉面積を測定するには、葉っぱを切り取らないといけないのですが、この機械は植物群落を破壊せずに葉面積を推定します。測定精度があまりよくないと言われますが、サンプル数を増やすとけっこうそれらしい結果が得られます。サンプル数を増やすのはものすごく容易です。条件次第ではなかなか使える機械です。茨城大理学部に昔いた、動物生理学?の先生のおさがりだと聞いています。僕が茨城大に赴任してはじめに受け持った学生、椎名さんの卒業研究で大活躍しました。



おまけ。左写真は、山村靖夫先生が学生の時から使っている呼吸測定装置(現役)。空気をためる黒く大きなバルーンが不気味です。右写真はもはやモニュメント、故野本宣夫先生が組み上げた光合成蒸散測定システムだそうです。野本先生といわれてもぴんとこない人もいるかもしれませんが、ボイセン-イェンセンの「植物の物質生産(東海大学出版会)」の翻訳者(門司正三先生との共訳)といえば知っている人は多いんじゃないでしょうか。



茨城大学理学部・生物成分分析室
元素分析機、住化分析センター社製Sumigraph NC-95A。主に植物体の窒素濃度(全窒素)の測定に用いています。我々の研究室のメインマシンですが老朽化が激しいです。どうにかして更新しないといけないのですがあてがありません。

タンパク質分析に用いているワークベンチ。2016年度卒業の田中智紀君が実験の施設、手法ともに整備してくれました。

微量高速冷却遠心機(佐久間製作所 SS-1500X)。タンパク質の分離に用いています。ロータは2種類あります。

50F-8AE24M (50 ml x 8, 2 ml x 24)
50M-8AM (5 ml x 8)

分光光度計(アメリカBeckman Coulter Inc., DU520)。呈色反応させたタンパク質の吸光度測定に用いています。

反射式光度計(ドイツMerck社, RQflex plus)。水溶液中の各種イオン濃度等が測定できます。土壌中の硝酸イオンやアンモニウムイオンの濃度を、簡単に測定できないかと探していてこのシステムに出会いました。危険な化学薬品類を使わなくても分析できるので安心なうえ、けっこういい推定ができると評判です(ちゃんとした土壌分析と突き合わせて確認していく必要がありそうですが)。



茨城大学理学部・生物計測実験室
この部屋は、おもに採取してきた植物や土壌を洗ったり、切り分けたりするのに使っています。乾燥機、天秤などがあります。元素分析を行うために、サンプルをパウダー状になるまで粉砕する作業もここでやっています。そのためやや埃っぽい部屋です。

葉面積計(林電工、AAM-9)。ベルトコンベアの上に葉っぱを乗せ、その面積を測る装置です。ベルトコンベアが葉っぱを次々運んでくれるので、大量の葉を測定したいときに便利です。ただし、ベルトの傷やホコリも面積として読み取ってしまったり、葉っぱどうしが重なってしまうなどのミスがよく起こるので、意外と注意が必要です。



茨城大学理学部・実験圃場
研究に用いる植物を管理・栽培しています。理学部のそばにあるため、大変便利です。最近は野外調査を行うことが難しいので(大学からは「学生の調査には教員が同行すること」を求められますが、何人もいる学生の野外調査に同行することは無理です)、ここがメインの調査地になっています。また、ここにある植物は、授業や実習(生態学実験など)、他の研究室(昆虫系)の研究、オープンキャンパス等でも利用されています。僕がここに赴任したときには、雑草が生え放題、土は瓦礫だらけでとても使い物にならなかったのですが、歴代の研究室メンバーの尽力によりなんとか圃場らしくなってきました。





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